8月 作業カレンダー
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今月の作業紹介

〜草刈りと草取り(除草作業)〜
稲作・畑作に関わらず、除草という作業は必須のものです。
除草剤を使えば簡単にことは済みますが、「生態系を維持し、体に安心な農作物を作る」ことを目標としたオーガニックの精神にのっとると、雑草との戦い(除草作業)は大きなウエイトを占めます。
今月は稲作ほ場における雑草との戦いを見てみましょう。畦草刈り田んぼの草除草法


なぜ畦(あぜ)草刈りをするのかしら?

ほ場整備がしっかりとされた広い平野のほ場は、「隣の田んぼとの境界はコンクリートブロックです。」というようなところもありますが、山間部、未整備のほ場などは、畦あり、土手あり、水路の中にも草が生え・・・なんて言うところも結構あります。
畦草刈りは、草が生長を始めた4月の末頃から、だいたい一月に一回の割合で4〜5回ほど、冬季に1回、というのが多いようです。

草刈りをする最大の理由は、害虫の巣を作らせないことと、風通しをよくすること。
密集して生える雑草は、虫達にとってよい隠れ家になります。(害虫も含めて。)
風通しが悪いと、「いもち病」などの発生が多くなります。

 稲にとっての害虫とは・・・ウンカ、カメムシ、イネドロオイムシ、ガ、イネミズゾウムシ、・・・その他たくさんいます。

 いもち病とは・・・病原菌が起こす病気です。この病原菌は暑くて蒸し蒸しした環境が好きなんです。
  「葉いもち」にかかると、稲の葉は部分的に枯れたようになります。被害が広がると葉全体が枯れあがってしまいます。
  「穂いもち」にかかると、白穂になり、お米がとれません。

ほかに、畦の草を刈る理由として、畦の形状を保つという理由があります。
水稲栽培において、水の管理は大事です。
水が漏れないようにしっかりと畦を作っていても草の根が畦を壊していては困りますものね。
また、刈った後の草の始末をしないでいると、草が腐植し、堆肥のようになって畦がぼこぼこになります。

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田んぼの中ってどんな草が生えるの?

ナギ(ミズアオイ科)

写真はコナギです。
種子で増え、代かき後の低酸素状態でよく発芽するので、不耕起栽培のほ場ではあまり発芽しません。
発芽には光が必要なので、深いところにある種は発芽しません。
一株にできる種子は1300粒〜1500粒、10年たっても発芽率50%以上という、つよ〜い雑草です。
花は、なかなか、清楚でかわいかったりしますが、コナギが田んぼ中に生えると、肥料が効きにくく、稲が黄緑色っぽくなります。

カヤツリ(カヤツリグサ科)

写真はシズイです。
よく似た草に、ミズガヤツリがあります。
どれも地下にできるイモ(塊茎)で繁殖します。
カヤツリグサ科の雑草は乾燥と寒さに弱いのが多く、冬季のまめな耕耘が繁殖を押さえるカギとなります。
クログワイも仲間ですが、これには除草剤はあまり効き目がありませんし、寒さにもちょっと強いので厄介者です。
オモダカ(オモダカ科)

高いところから顔(面)が見下ろしているように見えるところから面高(おもだか)というのだそうです。
お正月に「芽が出ますように」と食べるクワイはオモダカ科の植物で、仲間です。
(上に書いたクログワイはカヤツリグサ科の植物です。)
イモ(地下塊茎)でも種子でも増えますが、繁殖力はあまり強くないので、ちょっと安心。
ヒエ(イネ科)

写真はケイヌビエです。
収穫期になると稲より背を伸ばして自己主張している、よく見かける草です。
仲間にアシカキなど、節々で根を張って放射線状に繁殖していくものもあります。
発芽には酸素を必要とするので、田んぼにどっぷり水を入れる深水管理のほ場では発生が押さえられます。が、畦から進入するものには要注意。
水管理をされない、減反のほ場では大きな株に成長することが多いです。
クサネム(マメ科)

ネムノキの草版(?)夜になるとちゃんと葉を閉じます。
稲の収穫期に米粒大の黒い豆ができ、重さも米くらいなので、一緒に刈り取ってしまうと、精米しても取り分けられません。ご飯の中までついてくることも。
手で取るか、色彩選別機を通すととれます。
稲の収穫の頃に稲よりも背が高くなり、一株ずつ木のように生えていて、比較的楽に鎌で刈り取れます。

以上のほかにセリや浮き草などがありますが、異常繁殖しなければ、米の収量・品質には影響がないのがほとんどです。

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除草剤を使わない除草方法。


ベトナム戦争の枯れ葉剤に含まれていたダイオキシンに全世界の注目が集まり、
また、水田除草剤の川への流出から、海までもが汚染されているといった事実が明らかにされ、
1998年に環境ホルモンの疑いがある物質として除草剤10種があげられ・・・。

農家には除草剤を使わずに除草をする新しい道を探っている人が増えています。
「安全なお米を」といった消費者のニーズに応えるのもしかり、何より、作物を作っている自分に薬害が降りかかるというのが怖いですものね。

田んぼにおける除草(抑草)作業にもいろいろあります。
手取り除草 腰痛、筋肉痛のもと。時間と労力はかかるけれど何より確実。
除草機 稲と稲の間をかき混ぜて除草する機械。田植機で植えた縦方向には使えるが、手植えの田んぼや横方向には使いにくい。
耕耘(その1) 冬季、田んぼの土を掘り返して、草のイモや種を寒気にさらしたり、乾燥させたりして死滅させる。
耕耘(その2) 春先、草が伸び始める頃に一度耕耘して、土の中にあった草の種を芽吹かせておいて、しばらくしてからもう一度耕耘して芽吹いた草を枯らすというもの。
代かき(数回) 考え方は耕耘(その2)と同じ。でも、コナギなどはかえって発芽しやすくなるので要注意。
輪作 水田に生える雑草は乾燥に弱いものが多く、一年畑作にかえることで、田んぼを乾燥させ、雑草を絶やすというもの。
マルチング 紙マルチ・・・光を遮断して発芽を抑制するというもの。コストがかかるのが難点。
草マルチ・・・地表の光を遮断し、密度が高く、ほかの雑草が成長しにくい、といった理由でわざと生やす草のマルチ(レンゲ草など。)すき込めば肥料になるね。
合鴨農法 合鴨に餌として雑草を食べてもらう方法。逃げ出さないように、ネットや柵を作るのが大変。
穂が出る前に引き揚げましょう。
コイ(フナ)農法 コイに餌として雑草を食べてもらう方法。ただし、水の深さがある程度保てるほ場向き。
水が冷たすぎたり、水が浅かったりするとコイは動かない。
ジャンボタニシ農法 ジャンボタニシに餌として雑草を食べてもらう方法。ジャンボタニシが増繁殖して稲を食べたり、よその田んぼに被害が出る危険性もあるので安易に導入するのは禁物。
浮き草農法 浮き草を繁殖させて地表に届く光を遮断し、発芽を押さえる。
浮き草によっては繁殖しすぎて風で稲を押さえつけてしまうかも。
深水管理 発芽時に酸素を必要とする雑草向き。成苗向き。
米ぬか
菜種油かす
@地表に届く光を遮断し、発芽を押さえる。
A発酵して水の表面に無酸素状態を作る。発酵時の有機酸で発根を阻害する。

長い文章を読んでいただき、ありがとうございました(^^;)。。。▲戻る